時流に関係せず自分の好きなことを選べという人がよくいるが、私は賛成(2) 「好きなこと」よりも「よくできること」をやること:
しない。就職先のないところで力を発揮せよ、というのは無責任だと思う。
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自分にピッタリ合った仕事が必ずあるはずだから探そうという考え方があ
るが、実はそれは戦略的ではない。いくら探してみても、見つからないこ
とが多いからだ。それよりも世の中で既に存在している仕事に、自分を合
わせていこうという方がずっとうまくゆく。 (p.37)
「好きなこと」というのは、得てして「下手の横好き」になってしまう。やりたいことよりもやれること、というのは私も常々考えていることです。
本人は好きなことをやっているから、満足している。しかし、傍から見る
と意味のある仕事になっておらず、時間と労力の浪費であることが多い。
自分の趣味の領域ならばよいが、人から任された仕事でもこの状態に陥っ
ている人が結構いる。社会に対して迷惑になっている場合もある。 (p.39)
教養の王道は、古典(クラシック)である。鑑識眼を徐々に養いながら、
自分なりの基準を作る。ひねりを入れるのは、あとからいくらでもできる。
異端を求めてマニアックにかぶれることは、入門者には勧めない。
オリジナリティーを発揮するのは、そのあとで良いのだ。 (p.141)