誰でも簡単に携帯やデジカメで写真を撮って公開できるようになり、デジタル化された写真が大量にソーシャルメディアに流れている今、写真の撮り方や見方、楽しみ方、そしてその役割にも変化が起きています。
本書は、「みんな」をキーワードに、ブログ「みたいもん!」のいしたにまさき氏が「写真を見る」という側面から写真共有サイトflickrを使い、写真とソーシャルメディアの関係性を探り、「工場萌え」の大山顕氏が「写真を撮る」という側面から、自身が開催している写真ワークショップの実体験を振り返り、写真と人とのつながりを掘り下げていきます。
「ちょっといいデジカメを買ったけど、なにをどう撮ったらいいのかわからない」「そもそも“良い写真”ってなんだろう?」「flickrは登録したけど使っていない・・」という人にぜひ読んでもらいたい1冊です。
こういう「自分探し」を繰り返していると、いつのまにか目的が「良い写真を撮りたい」ではなくて「良い写真を撮れる自分になりたい」にすり替わったりします。できあがるのは「良い写真」ではんかうて「良い写真を撮った自分の記録ではないでしょうか。この状態から抜け出すのは大変です。そこで、このワークショップでは「自分のことを忘れて撮る」ということをやってもらうわけです。
(p.73)
アートフィルターをかけた瞬間にナントカ風の写真によるなる。ナントカ風に見せたいってこと込みでアナウンスしていることにはなって。まあ、照れ隠しですよね。その言い訳をつけてあげることで撮りやすくなるし、みんなに見せやすくなるし、参加しやすくなる。
(p.141)
結局デジタル写真とアナログ(銀塩)写真の差は流通のしやすさ。もうそこに尽きる。ブログなんかもそうですが、インターネットの時代にはどんなささいなものでも簡単に流通させることができるので、まあほんとここが本質ですよね。
(p.142)