この本は、最後の講義のつづきでもある。
残された時間は貴重で、できるかぎり子供たちと過ごしたいから、
ジェフリー・ザスローに協力を求めた。
僕は毎日のように近所を自転車で走り、
健康状態に欠かせないエクササイズをしている。
自転車をこぎながら、ヘッドセットをつけた携帯電話で
ジェフと話すこと五三回。ジェフは長い時間をかけて、
僕の物語--五三回の「講義」--をこの本にまとめてくれた。
(はじめに、より)
「レンガの壁がそこにあるのは、その一番手強い壁が今の奥さん。
それを真剣に望んでいない人たちを止めるためだ。
自分以外の人たちを押しとどめるためにある」
最後の講義で話したように、学問と仕事の世界では、
僕はレンガの壁を突き破る達人だった。でも、
そんな僕にとってもひとつだけ例外があった。(p.95)
僕はいつも、格好いい人よりもまじめな人を高く評価する。こういう評価をしてくれる人が増えるといいね。
格好いいのは一時的だが、まじめさは長つづきする。(p.155)