[...]知的好奇心の強さは、決して先天的なものではないことである。先生や家庭での指導によって、いくらでも開発され高められるものである。早期に開発されればそれに越したことはないが、大学生ほどの年齢になっても、まだ手遅れではないと思われる。
(p.18)
学者を志す人は、自己の殻と限界を破壊するような爆発力が是非必要である。そのためのエネルギーがすなわち、野心なのである。
(p.20)
真理への到達には、魂の持続的燃焼が必要不可欠であり、そのために執拗さがぜひとも必要なのである。しかめ面でテーブルについたまま、食いついた問題に没頭していたため、楽しいはずの晩餐を台無しにしてしまう、というのはたいていの数学者の家庭で見られる風景であろう。
(p.21)
結局はいつどんな妥協をするかの問題になるが、楽観的な人ほど早期にかつ効果的に妥協をすることができる。強調は私による。省みると1以外はだめだな。4は最近徐々に。
(p.27)
それにしても先に挙げた性格のどれもが、どう見ても付き合い易い性格とは思えないことに一驚せざるを得ない。この辺に、「付き合いにくい学者」の一因があると言えよう。とは言え、学問の推進という見地からは、このような性格は全く見上げるべきものなのである。学問を究めるのは厳しい!
(p.32)