「食乱れ、民族滅ぶ〜食の乱れは心の乱れにつながる〜」日経新聞夕刊に食に関するエッセイを連載している小泉氏。それらをまと
東京農業大学教授 小泉武夫氏
10月7日(火)18時45分〜20時30分 汐留
そしてこの連載がかくも長く続いているもうひとつの理由は、食べもの(食あれば楽ありのまえがきより)
を美味に、時には不味に書く時に、決して逃げの文章は書くまいと、常
に心がけていることもあるのだろう。ほっぺたが落ちそうな美味なもの
と出合った時、その表現(読者に伝える文章)を例えば「そのあまりの
美味さは筆舌に尽くしがたい」とか、「筆で表現できないほどの美味さ
だ」などというのは逃げであって、なぜ美味なのか、どんな風味を鼻や
舌に感じるのか、などをリアルに、しかも克明に描写することを心がけ
てきたつもりである。