過ちを犯した人たちをたしなめるとき、われわれには、善意より
自惚れのほうが強く働く。長々とお説教はするものの、
相手の間違いを正そうというより、自分は別物、と言ってきかせるのだ。
人は、ふつう、誉めてほしいから、誉めるのだ。
たいていの人には、あまり親切にするより、悪いことをする方が、
危険は少ない。
われわれが、小さな欠点を白状するのは、ひとえに、
大きなものは持っていない、と承知させるためだ。
ほんの少しのもので、賢者は幸せになる。何があっても、愚者は満足
できない。かくて、ほとんどすべての人間は惨めである。