本書は、その「上司から一緒に働きたい」と思ってもらえる力のこと、「部下力」と名づけ、それを高めるための参考書です。
(p.3)
本書は「部下力」をテーマに話を進めていますが、部下力とは、何も部下だけに当てはまる、特別なものではありません。部下力はビジネスパーソンすべてに求められる特質であり、いわば「部下力は、ビジネス力の一側面」なのです。
(p.122)
確かに部下力の中には、「上司に気に入られるために何かする」という側面がないわけではありません。本文中にもかなりその要素が強い項目もあったかもしれません。
そして「気に入られるためだけに、ゴマすりのために、それらの行為をする」ならば、これ以上卑しい行為はないでしょう。
でも「上司に気に入られる目的は何か?」を思い出してほしいのです。それは「上司からの信頼を獲得するため」でした。さらにそれは「『自分のやりたいこと』を実現する時に、許可や支援をもらうためのもの」だったはずです。
(p.194)
Q. 現在はキャリアの専門家として活躍されている小杉先生のお考えになる、「上司に信頼される部下」とはどのような人なのでしょうか?
まず基本的に「報連相がきちんとできる」こと。
これをしてくれると上司は安心しますよね。
それと「その会社・業界の基本的なフォーマットは理解する」こと。
具体的には「書式・服装・挨拶の仕方」などのことです。こういうことにいたずらに反発したり、自己主張したりする必要はないと思います。
ただ、もしそれを「わかった上でやる」のであれば、そのマイナスの印象を差し引いて有り余るエクセレントな能力を発揮するならば良いとは思いますね。
(p.212)