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私もよく行く恵比寿麦酒記念館[2005-06-05-2]の館長さんによるビールやお酒にまつわるエッセイ集です。
気楽な豆知識がたくさん。
肩肘張らずに読めます。

端田晶 / 小心者の大ジョッキ

ビヤホールは日本人がつくったってホント!?
ビール会社の広報マンがコッソリ教えるとっておきの美味しい飲み方&ウンチク。

いろいろと為になりました。
以下いくつかご紹介。

§

実はビアホールは和製英語、という話(p.14)。
ドイツ語のビーアハレ(Bier Halle)はあったけど、
英語の beer hall は存在しなかった。

プリン体の話(p.93)。
通風の原因と言えばプリン体、プリン体と言えばビール。
そんな風に連想されるほどビールはプリン体が多いと言われているんだけど、それは他の酒よりも多いってだけ。
プリン体だけ考えるなら普通の食べ物の方が多いそうな。
ということで、本書から 100g あたりのプリン体の量を抜き出して表にしました。
飲食物100gあたりのプリン体
ビール5mg
発泡酒3mg
清酒1mg
蒸留酒1mg以下
牛肉100mg
鶏レバー300mg
豆腐20mg
ホウレンソウ50mg
100mg以上
白米25mg

ホップは育てるときに芽を間引くそうなんだけど、この間引いたホップの芽の天ぷらがおいしいらしい。
絶妙なほろ苦さで、ビールに最高なんだそうです。そりゃあ合うはずですよね。ビールの原料なんだから。
(p.113)
どう考えてもうまそーだぞ!食べたい!飲みたい!

なぜ発泡酒は薄いのか、という話。納得。
ほとんどの国では味をすっきりさせるためにデンプンや糖を使用しています。
特にコーンスターチなどの精製されたデンプンは、ほとんどが炭酸ガスとアルコールになりますので、麦芽由来の旨味、厚み、コクをうすめる働きをします。
(p.179)

あと、ビールの飲み比べ方法「三点比較」の話もおもしろかったんだけど、それは別途記事にします。

まあ、そんなわけでこれからもビールやそのお友達と楽しくつきあっていきたいと思いまっす!

関連記事


- [を] 酒に謎あり[2009-01-02-4]
小泉武夫先生によるお酒エッセイ。)


酒に謎あり

2009-01-02-4 [BookReview]
「もやしもん」と言えば小泉武夫先生ですが、
その小泉先生によるお酒の話。

小泉武夫 / 酒に謎あり


酒にまつわる、歴史、素材、醸造、道具、文化などを
エッセイの形で分かりやすく紹介!
楽しいです!

過去の文献に載っている酒を
自分の研究室・教室でつくってみたという話はアカデミックで良いですね。
やはり、読むだけじゃなく実践、ということで。

例えば、口噛みの酒。
ご飯などを口でくちゃくちゃかんで、
唾液とともにペッ吐き出しためておくとお酒になるというもの。
古文書では噛み手は女性ということで、
女子学生たちがせっせと噛んで作ってみたところ、
10日でアルコール度数9パーセントの酒ができたとのこと。
女子学生のレポートより:
■感想
 「口噛み」作業は大変である。
 3分間、噛み続けるのも、何か本を読みながらなど、
気を紛らわしながらやらないと結構苦痛となる。
 なおも続けると、頭、特にこめかみに痛みを感じるようになり、
「ああ!これが“こめかみ”なんだ」とこめかみの語源、
由来らしき状態を実体験できる。
 4分間、一生懸命に噛み続けるとほとんどペースト状となり、
もう噛めない。
他にも、平安時代の御酒(トロリとした甘い酒になる)や、
塩を加えて作る「御酒糟」などもつくってますね。

華道、茶道みたいなものとして酒道というのもあったそうな。
足利末期から始まったみたい。酒の場の礼儀も重要!!

「武家飲酒肝要記」(文化二年、1805年)に書かれていた
(現代医学からみても説明がつく)二日酔いがらみの記述:
- 防止:背を丸めず、背筋をのばして正しい姿勢で飲む
- 治癒:正座して深呼吸しながら長唄を歌う
- 宴中、宴後に汁粉、干芋、干柿、羊羹、落雁、甘酒、飴のような甘味

中国の白酒(パイチュウ)の奥深さに感銘を受けました。
あと、吟醸酒のときに40%まで精米する理由もなるほど納得。
火事場の芳香エステル成分ですね。
この記事に言及しているこのブログ内の記事


小泉武夫 / 食の堕落と日本人


日本の環境に適応してきた日本人は日本のものを食べるのがベスト、という話は昔から納得なのです。最近は意識して、日本食を増やす努力をしています。でもなかなか…。
こうして日本食を繰り返し繰り返し食べ継いできたために、私たち日本人は、体も心もそのような食べ物に対応してつくられてきたのである。そして、その情報が遺伝子に刷り込まれて現代の日本人に受け継がれてきた。たとえば、日本人の大腸が、繊維分の多い食事に適応して長くなってきたというのも、その長い食習慣から固定された遺伝子によるものである。(p.26)

納豆をご飯にかけて食べるってのは伝統的な食べ方ではないらしい。
江戸時代にはそのような習慣はなかったそうな。
では、江戸時代は、納豆をどうよあって食べていたのかというと、すべて味噌汁に入れていたのだ。いわゆる納豆汁である。(p.73)
味噌と納豆は、麹菌か納豆菌のどっちがつくかで決まるもので、大した違いがない。ときどき味噌になったり、ときどき納豆になったり。だから混ぜるってのは自然発想みたい。ちなみに私は納豆汁大好き!

日本酒業界活性化のための講演を造り酒屋の組合に頼まれて出かけた著者。
ところが、講演後のパーティーでの乾杯に使われたのがなんと日本酒ではなくビール。
「日本酒のますますの発展のために乾杯!」
これはもうユーモアを通り越してギャグの世界である。これが変なことだと誰も気がつかないその組合員なのだから、救いようのないほどの堕落である。
(p.83)

中国で段ボール入りの肉まんが!というニュースが最近ありましたが、日本人は昔は紙を食べていたそう。1764年に出た「料理珍味集」にそのレシピが。使い古した奉書紙を三日間水に漬けて、味噌と葛を足して叩いて丸めて乾かして味噌汁の具にするらしい。
まあ繊維質たっぷりだし、悪くはなさそう。(p.156)
この記事に言及しているこのブログ内の記事

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