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Kindleで読みました。
いろんな人のブログについてのまとまった意見を読むのが好きなのですが、まさにそういう本。

はせおやさい / ブログにためになることなんて書かなくていい (impress QuickBooks) [Kindle版]

 人生は鉛筆デッサン画。いいことも悪いことも、すべてが自分をかたちづくるために必要で、何も無駄なことはない。
 ブログに手帳などに書き付けていたことを手軽に公開し、反論やアドバイスをもらえるようになるなんて、嘘みたいなことだと思います。自分だけで完結するのではなく、他人の意見を取り込んでより考えを深めることで、それまでとは異なった視点や考え方を知ることができるようになりました。
 いい出会い、悪い出会い、拓ける可能性……。大切なのは、「選択肢がある」こと。選ぶのは常に自分であり、「政治が」「親が」「生まれが」「育ちが」「○○が」などと、周りのせいにしていては何も変らないのだ。自分自身でその選択肢をより多く持てるように、どんなことができるのだろう?本書では著者の経験をもとに、「ブログ」を始めとする「インターネット」でより新しい可能性を得るためにどんなことができるかについて考えたことをまとめています。

ブログの側面の一つ「書いたものへのフィードバックによる自分の理解・成長」について多くのページがさかれている印象です。

「自分で自分を知りたいからだ」
ブログを書き続けることで気づいたのは、自分について考え、問題点や弱点を分類し、対処法をまとめておくのは、「自分の攻略本」を作るようだということです。
すべての人が自分の感情をオープンにして、他人と活発なコミュニケーションを取る必要はないかもしれません。どうしてもイヤだ、ということをやる必要もありません。でも、気持ちを表現する練習を通じて得られるのは、「自分について理解して共感し、肯定できる部分を見つけていく」ことだと思います。
選んで使う言葉の質は、自分自身の質にも影響します。汚い言葉を使う人は、そういう人だと。変に気取った言い方をする人もそうです。自分の身の丈にあった、ウソのない言葉を選ぶ努力をして、反論があっても仕方がないという気持ちで、恐れることをやめ、自分らしい言葉を選べるようにしていきたいと思います。
すべての意見を受け入れようと自分を押さえ込んでみても、心とからだが健康でなければ、そこで学んだこと活かせません。そして、心とからだを疲れさせるのは、生真面目にすべての意見と向きあおう、と無理をすることだと思います。

本書でも述べられていますが、ブログには複数の側面、機能、効果があり、どれか一つのみで他はゼロにするということは基本的にできません。非公開ならば別ですがネットに公開している以上は。例えば「未来の自分に向けての備忘録」と位置付けてもネットに公開している以上、何かしらのコミニュケーションや他者への影響が生まれます。そこがブログの面白いところですよね。

最初は「自分のため」に書き続けていたブログでしたが、気付くと色んな人が読んで、感想を伝えてくれるようになってきました。「誰かに伝える」ことをきちんと意識し始めたのがこの頃だったと思います。
誰かの役に立ったり喜ばれたりするのはあくまで「おまけ」で、こうして自分の時間と頭を使って、誰も読まないような文章を書くのは、第一章でまとめたように、他でもない「自分のため」。
違う言い方をすると、「未来の自分のため」です。自分だけの攻略本を作ること。そして、最近思うのは、「ブログは遺書みたいなものだな」ということです。
肩肘をはらず、カッコつけずに、ありのままを記録するようにしています。偉そうな格言も、ライフハックも、無理して入れる必要はないと思っています。そんな「ふつうの人」である自分が、素のまま悩んだり考えたりした記録だからこそ、他の人の役にも立つのだろうな、と思います。

著者の自分語りの比率が高いので実践的なブログ運用を期待すると肩透かしをくらいます(タイトルでそういう本ではないと明確ですが)。私としては「みんなのブログ論」を期待して読んだので、非常に楽しく興味深く読むことができました。

ブログの本質である、「どんな人でも全世界に向けて定期的に情報を発信することできる」ことについて考えを深めたい人は読むべき本です。
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