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「ピープルウェア」は有名な本だったけど、初めて読んだのは学校を卒業し働き初めて半年くらいのころ。当時の記録によると会社の図書館で借りたみたい (ref. [2000-10-18-3])。当然、初版だったでしょう。古かったしな。

内容はというと、ITがらみで働いた経験があるならピンとくることばかり。逆に学生のうちに読んでもすんなり入ってこなかったかもなあ。

ピープルウエア 第3版 [Kindle版] : トム デマルコ;ティモシー リスター, 松原 友夫;山浦 恒央;長尾 高弘

開発プロジェクトで技術よりも何よりも大事なもの――それは「人」。一人一人の人格の尊重、頭を使う人間にふさわしいオフィス、人材の選び方・育て方、結束したチームがもたらす効果、仕事は楽しくあるべきもの、仕事を生み出す組織づくり、という6つの視点から「人」を中心としたプロジェクト開発の大切をユーモラスに語っている。1987年の初版発行以来、多くのソフトウエア・エンジニアの共感を呼んだ名著の改訂第3版。

15年前の当時の読書メモを全部載せておきますね。ページ番号は当時の版のものです。

  • p.7: 根本的に欠陥のある設計は、それを修正したりせずに、思い切りよく捨ててしまって一から作り直した方が結局はうまくいく。
    • でも、管理者は「大金を注ぎこんで作ったのに捨てるなんてとんでもない」。
    • 作ったもの捨てるというのは政治的な判断がいる。たとえ長い間には高くついたとしても、バグの多い製品を、だましだまし手直しして動かした方がいいと思っているようだ。
  • p.12:
    企業で働いている人びとは、いつも何か手を動かしていなければ仕事をした気にならない、という考えにとりつかれている。その証拠に、頭を使わなければならない計画立案、新技術の調査、研修、読書、見積もり、予算、スケジュール作成、人の割り当て、といったその他の仕事を全部合わせても、会社で仕事をしている時間のうち、たった5%しか使っていない。
  • p.14: スペイン流管理とイギリス流管理。
    • スペイン流 = 地球上には一定量の価値しかないので、豊かになるには、どうやって富を絞りとるかに長けることである。
    • イギリス流 = 価値は発明の才能と技術で創造するものである。
  • p.19: スペイン流管理のつけ:
    • プロジェクトは順調に進んでおり、上司に納期は守れると報告した。
    • 上司「予定通り3月1日に納入できるというのなら、1月15日に早めてほしい」。
    • スペイン流管理者はプレッシャーをかけるほど多くの労力を引き出せると思っている。
    • しかし、現実は「早くヤレとせかせば、雑な仕事をするだけで、質の高い仕事はしない」
  • p.30: 目標値設定者による生産性の違い。
    • 目標設定者と生産性順位:
      • 1.目標なし
      • 2.システムアナリスト
      • 3.プログラマ
      • 4.プログラマと管理者
      • 5.管理者
  • p.31: パーキンソンの法則は開発作業者には当てはまるとは言えない。
    • 改定版: 組織の中の管理業務を行なうには、時間はいくらあっても足りない
  • p.41:
    遅れの原因限りなし つける薬はなにもなし
  • p.48:
    意外なことに、残業の真の目的は、仕事の量をこなすことよりも品質向上のためなのだ。(略) まともな仕事をするには、朝早くオフィスに来るか、夜遅くまで残っているか、あるいは会社の喧騒を避けて一日中自宅にこもるしかない。
  • p.50: プログラミングコンテストで生産性の要因を探る。
    • 上位と下位1/4のグループのオフィス環境で、上位の方が、以下の環境要因が優位:
      • 一人当たりのスペース
      • 十分に静かか?
      • プライバシーは十分か?
      • 電話の呼出音を消せるか?
      • 電話を他へ転送できるか?
      • 無意味な割り込みは多いか?
  • p.65:
    オフィスの騒音が仕事にならない程ひどくなると、みんなが静かな場所を見つけて雲隠れする。会議室を予約して中にこもったり、図書館へ足をむけたり、はては、コーヒーを飲みに行くと出かけたまま戻らなかったりという具合だ。(略) ただ、仕事に集中するために身を隠すのである。
  • p.72: 本当の意味での仕事は一人のときにできる。
    • フロー(flow)状態(一つのことに没頭し、ほとんど瞑想状態になること)になると作業が自然にスムーズに流れていく( = 「調子に乗る」)。
    • フロー状態になるには、通常15分以上の精神集中過程が必要といわれている。
    • 割り込みや騒音で簡単に元の状態に戻ってしまう。
  • p.75:
    机の前に何時間座っていたかはどうでもいいことで、全神経を集中して仕事に取り組んだ時間が重要なのだ。
  • p.76: E係数 = 割り込みなしの時間数 / 机の前に座ってた時間。
    • 割り込みなしの時間数の計り方: 4時間中30分ごとに割り込み = 0、4時間中最初の1時間だけ10分ごとに割り込み = 3
  • p.77: 赤いバンダナ。「現在、割り込みお断り」というサイン。
  • p.83:
    電話はかけて迷惑、かかって迷惑ということだ。困ったことに電話の弊害にはみんな慣れてしまい、誰も気にしなくなってしまった。極端にひどい場合だけ、何かがおかしいと感じる程度なのである。
  • p.84: ある会社のシステム開発部門の管理者
    • 「最近、特に気になっていることが1つある。諸君は忙しいときに電話がかかってくるといつもそうだが、ベルが3回鳴っても自分で受話器を取らず、秘書か誰かのところへ転送しているようだ。おかげで秘書は電話の対応に追われて仕事が手につかず、非常に迷惑している。このオフィスでの規則をもう一度繰り返しておくが、自分のところにかかってきた電話は、ベルが3回鳴るまでに必ず自分で受話器を取り、その後...」
  • p.87:
    ...ソフトウェア開発部門では電話のベルがうるさくて仕事に没頭できないことがわかった。そこで、スイッチOFFやティッシュペーパー作戦など電話のベル対策をアドバイスした。(略) ことの本質は、単に新しい装置を導入すればよいのではなく、意識改革をすることなのである。しっかりと頭の中に叩き込んでほしいのは、かかってきた電話のすべてに対応しなくても、全く何の問題もないということだ。それともう1つは、会社での自分の時間(もちろん量だけでなく質もあるが)をもっとだいじにすることである。
  • p.104: パターンランゲージのアレグザンダー
    • 「窓から外の景色も見えないような部屋は、凶悪犯をぶちこんでおく刑務所と変わらない」
  • p.140: ホーソン効果:
    • 1932年の春、効率向上に専門家たちがホーソンにあるウエスタンエレクトリック社で生産性に影響ありそうな環境パラメータの効果測定。
      • 彼らは、照明を明るくすると生産性が上がったことを記録した。
      • 次に暗くしても生産性が上がったことを記録した。
    • 明るさは重要ではなかった。
    • 人は、他と違った扱いを受けることに魅力を感じ、注目されることを好み、珍しいものに好奇心をよせる。
    • ホーソン効果は、人が何か新しいことをやろうとした時それをよりよくやろうとする、ことを示している。
    • 生産性向上に関する文献をよく調べてみると、向上はほとんどホーソン効果によるものと著者は確信。
      • 最初は向上するだろうが、長期的には向上していないだろう。
      • 著者二人は、ホーソン効果によってほとんどの生産性向上を説明できるという点で一致したとのこと。
  • p.146:
    重役会が利益の大幅な増加について盛んに燃え上がっているのに、平社員にとって増益などほんのつまらないものでしかない。
  • p.147: 会社代表者「会社始まって以来の記録的な決算を迎えるために、協力して欲しい」。
    • 外部のプロジェクトチーム「この会社の第2四半期なんか、知ったことか!」しらける
  • p.152: 黒集団チームの伝説
  • p.165: スパゲティディナーの効果
  • p.170: スタッフ全員が集められた。顧問弁護士がジェリーに契約書を渡す。
    • ジェリーは「読まなくてもよい」とそのままサインをしようとした。弁護士は少しあわてて「ちょっとお待ちください。もう一度、契約文を確かめさせてください」。
    • ジェリーは最高の弁護士を雇うのにできるかぎり骨を折った。もはや防衛的になる必要はない。そういう姿勢を部下へ示す。
  • p.171: 缶詰作戦。
    • 上司が部下を遠くへ。
    • 上司は特に重要な電話以外シャットアウト。
  • p.172: スカンクワークプロジェクト。
    • 上層部に何が行なわれているかが知られないように、どこかの隠れた場所で、仕事が進められるプロジェクトのこと。中止させられたプロジェクトなど。
  • p.177: 「完全な製品だけが我々の会社の方針にぴったりだ」という品質至上主義がチーム形成にとって最も強力な触媒である。
    • 品質至上主義はチームを世間一般から浮かせかえってチームを結束させる。
    • 世間一般の顧客は品質に関してあまり文句を言わない。口ではそう言っても、品質を維持するのに5セント余分にかかるというと本音が見えてくる。
  • p.198:
    研究者に勝手に研究をやらせるという考えは、あるコピー機会社であったように逆効果をもたらすことがよくある。その会社にいた優秀な研究員は、自分達がパロアルト研究センターで考えたアイデアを、会社が一向に商品化する気がないとわかって、会社をやめた。


トム デマルコ, ティモシー リスター / ピープルウエア 第3版 [Kindle版]