古い記事
ランダムジャンプ
新しい記事
読みましたー。

森博嗣 / 常識にとらわれない100の講義

理屈のない綺麗事ばかりの世の中で、大切なものを見失いたくない人へ-夢、仕事、人間関係、社会…常論ではなく正論。流されない生き方。疑わずに生きるつまらなさ。

まえがきに「この本は、毎日思いついたことを一つか二つ、一行か二行で書き溜めておき、それが百たまったところで一気にその説明文を書く、という手法で作った」とあって、私のブログの運用と似ているなあと思いました。

iPhone の「黄色いメモ」アプリ[2013-01-16-1]にブログネタ用のノートを用意していて、書きたいこと・思いついたことを一行の文で追加していきます。ネタの続きを書きたくなったら、その一行メモ文を新規ノートにカット&ペーストしてふくらませています。100個たまったら一気に、ということはないですが、システマチックなネタの膨らまし方としては、このくらいのシンプルなやり方が良いですよねえ。

なお、著者による100メモによる本はこれが2冊目だそうです(1冊目は「つぶやきのクリーム」)。

以下、読書メモ:

「なにか新しいことはできないか」という発想が古い。
...
もし、本当に新しいものをめざしたいのなら、素直に必要なもの、欲しいもの、納得のいくものを目指して作れば、普通に新しくなる。何故かといえば、上から予算を取りたいために余分な飾りをつけた結果、必要なものも、欲しいものも、常に中途半端になって、納得ができない状態になっているのが常だからである。
(p.62)
これはそう。
とはいえ、詳しくない分野の仕事だと「必要なもの、欲しいもの、納得のいくもの」に対するモチベーションがないので難しい。つか、そんな仕事をするな、というのが正しいのかも。ある程度の欲(情熱)がないといけませんね。

料理の達人というのは、美味しいだけではなく、素早く作る。
(p.82)
何事も、達人=手際のよさ、だよね。
手際がよいから、何度でもすぐに完璧にできる。

きれない刃物ほど手応えは大きいものである。
「手応え」のある仕事がしたい、と考えている人は多い。しかし、切れ味の鋭い仕事をしたときには、手応えはない。手応えというのは、適度な摩擦、適度な抵抗のことであって、鈍い部分があるために、そこそこの苦労を強いられる。だから、手応えとして感じるのである。たとえば、自分が怠けていたり、能力不足だったりして、〆切間際になって徹夜をして、ようやく完成させた場合は、達成感があり、手応えもある。[...]ドラマなどでも、そんなぎりぎりセーフの仕事をして、それが「良い仕事」であり、「充実した職場」みたいに描かれている。
 けれども、これは明らかに間違っている。良い仕事というのは、切れ味の鋭い刃物でさっと仕上げたものであり、これがプロの手際というものだ。
(p.92)
私の大好きな「曲突徙薪(きょくとつししん)」[2004-06-13-2]な話題だ! 手際よくさらっと成し遂げるのがベストなわけだけど、いろいろ紆余曲折がないと物語としてワクワクしないわけで。私は前者でありたい。余計なワクワクはいらない。

自分の意見が正しいと信じるなら、訴える手法も正しいものを選んでほしい。
(p.146)
今の日本においては、もうまったくこれは同意。ネット見てると特にそう思う。いろいろもったいない。

§

この本は何年か前に書店で買ったまま埋もれていたのですが、最近発掘して読んだ次第。この数年の間に文庫にもなってたし、Kindle版も出てました。

森博嗣 / 常識にとらわれない100の講義 (だいわ文庫)


森博嗣 / 常識にとらわれない100の講義 (だいわ文庫) [Kindle版]

この記事に言及しているこのブログ内の記事