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nobiさん(id:nobi)の記事。iPhoneのヘッドホンのUIの話が面白くて示唆に富む。

- インターネットってマスメディアより、そんなに立派なんだろうか? | just a thought | nobi.com (JP)
http://nobi.com/jp/just_a_thought/entry-1224.html
 あの白いヘッドホンは多くの人は、ただ音楽を聞くためだけに使っている。ほとんどの人はそれで十分満足している。
 でも、もう少し知っている人は、あのヘッドホンにボリュームの上下がついていて、音量を変えられることを知っているので、その機能も使っている。知らない人は知らない人でiPhone本体で問題なく音量を調整できている。
 さらにもう少し知っている人は、あのヘッドホンにマイクがついていることを知っていて、通話をする時にわざわざヘッドホンをはずさずに、そのままヘッドホンで通話をしている。
 もの凄く詳しい人は、ボリュームボタンの真ん中にあるボタンを2回クリックすることで曲送りや早送り、曲戻しや巻き戻しもできることまで知っていて使いこなしている。
 このようにパっと見の要素が少なくシンプルなだけに、とっつきがよく もの凄く間口が広いのに、それでいてもの凄く奥が深いデザインが、この多様性時代の今は重要だと柴田さんは言っていた。

いきなりマイナーな機能も含めた操作体系を前面に出したUIは混乱のもと。例えばものすごくボタンがたくさんあるテレビリモコンとか。やはり最低限必要な操作だけ表に出し、他は隠すのが吉か。

iPhone のヘッドホンは初見ですぐに理解できるシンプルな操作とシンプル操作を組み合わせた複雑な操作がうまく分割されている。(なお、複雑な操作といっても、実際はシンプルなのの組み合わせなので使い慣れると大して負荷はない。)

前者のシンプルな部分だけで最低限のことができるということがとても重要かと。深くコミットする人には深い操作体験を、そうでないライトユーザや通りすがり人には最低限の機能だけを直感的に分かる形で提供する。そういう「奥が深い」デザイン、良いのですねえ。

iPhone のヘッドホンの場合は、他で代替できる操作だからというのもポイントかと。「知らない人は知らない人でiPhone本体で問題なく音量を調整できている」とあるように、シンプルUIでの複雑な組み合わせ操作を分からなくても同じことが別な方法で使えるわけで、だからこそ、「初見で分かりやすく」を追求したとことんシンプルなUIが実現できたのかと。

テレビリモコンを例に考えてみると、リモコン本体は電源、チャンネル切り替え、音量(上げる・下げる)のボタンだけあって、録画とかその他の細かい操作はスマホやタブレットでやる、みたいな。で、実はリモコンのチャンネルボタンを長押しすると番組表に切り替わって……みたいな組み合わせ操作が隠れてる、とかね。



iPhone ヘッドホンの話の元ネタは nobi さんによる柴田文江さんへのインタビュー。どこかで見たことがある人だなあと思ったら、Eテレの番組「デザインあ」の「デザインの人」コーナーに出ていた人でした。

- 柴田文江デザインの美しきリモコン、地デジ版SPIDER PRO http://ism.excite.co.jp/digital/rid_E1299855458005/