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11月上旬に都内某所であった渋滞学セミナーのメモ。
完全に自分用メモ。後で思い出す用。

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渋滞の科学と社会実践 --渋滞学入門--
東京大学 先端科学技術研究センター 西成活裕教授

数学を社会に役立てるぞ!→渋滞、混雑を無くすぞ!
(試算によると東京(圏?)の人口を1/3に減らさないと渋滞はなくならない。)

- 自然における群れ=渋滞か?自然界がヒントになる。
- インターネット。パケットの交差点=ルーター。
- 神経ネットワーク。忘れる=神経細胞の渋滞。
- 在庫の渋滞。

ありとあらゆるものが渋滞。
背景には数学的なメカニズムがある。

渋滞をおこすもの=自己駆動粒子の集団を研究する。
作用・反作用の法則の成り立たない粒子。
「流れがあれば渋滞あり」

これまで渋滞は「待ち行列理論」で解析されてきた。
渋滞の理論は今までこれしかなかった。
INとOUTのバランスが渋滞を起こすと思われていた。
が、いろんなところで合わなくなってきた。

待ち行列理論は空間構造を考慮してない。
待ってる人がケータイに夢中だったら列は短くならない。

渋滞を考えるための新しい数学。
ASEP(非対称単純排除過程)。
ルール:前が空いているときだけ進む。

r010110010111001
r+1101101001110100

1が並ぶ確率は?→難しい。しかし新しい数学で美しく解決。

これを社会問題に応用。

渋滞、分かること。
(1) 臨界がある。ある臨界の密度以下なら渋滞は起こらない。
(2) 渋滞は進行方向と逆に伝わっている。渋滞の先頭は次々と入れ替わっている。

実データを分析。
流量と密度のグラフの形から定義。
渋滞の定義:密度が増えたときに交通量が減少する状態。
渋滞の臨界は、1kmで25台数、車間距離40m。

アリは渋滞を起こさない。
アリは混んできたらそれ以上詰めない。

ゆとりの「間」の重要性。
「人は1秒、クルマは2秒」。
1秒後に前の人の位置へ。

首都高速道路のデータからメタ安定。
高速で車間距離詰めた状態で安定して流れてている状態。
メタ安定は渋滞原因第1位。
ぶれを吸収できないため。何かちょっとあるとすぐ渋滞になる。
例えば、坂道でのスピード減少→後ろ車がブレーキ→ブレーキの連鎖。
車間距離40mあればブレーキ踏まないで済む→渋滞しない。
止まらなくて済む、というのが重要。

渋滞のできかけの瞬間にゆっくり走る車があれば大丈夫、という実験。

渋滞相転移の直前にメタ安定流が形成される。
平均速度と分散の変化で分かる。

Bull-Whip Effect と自然渋滞。
- 生産・注文のブレ=速度のブレ。
- 在庫変動=車間距離変動。

シゴトの渋滞の法則。
- シゴト密度=仕事量/期間。
- シゴトスループット=期間当たり完了した仕事の量。
- シゴトにもメタ安定状態がある。

小菅ジャンクションの渋滞改善案。
クロスする場所。
立体交差にする?→No!
出会い頭ですぐ合流させないように黄色線を引いて解決。

コンサートホールの出口の渋滞。

空港の荷物受け取りのとこの渋滞。

外国人のイミグレーションの渋滞。
フォーク待ちは窓口の感覚が短いときに使える。
呼ばれてから窓口まで歩く時間が無駄になる。
混んでいてサービス時間が短い場合は並列が良い。

出口に障害物がある方が早く出れる。
障害物があると殺到が防げて、人の衝突回数が減る。

渋滞学からの教訓(昔の知恵の再確認)。
- 損して得とれ。
- 急がば回れ。

§

西成活裕 / 渋滞学 (新潮選書)

西成活裕 / よくわかる渋滞学 (図解雑学)

西成活裕 / 「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)

爆笑問題のニッポンの教養 万物は渋滞する 渋滞学 (爆笑問題のニッポンの教養 12)