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昼休み、東京ミッドタウンのデザインハブで「世界を変えるデザイン展」[2010-05-26-1]をみてきました。
その中でこれはいいなと思ったのが「Q Drum」。
世界を変えるデザイン展
水源から大量の水を運ぶためのドーナツ型のタンク。中央の穴に紐を通すことでドラムを転がし、一度に50リットルの水を運ぶことができる。
というものです。

- Q Drum, the rollable water container for developing countries
http://www.qdrum.co.za/

説明ムービーもあります:


この道具、「汎用性がない」という点が重要だと思います。

「水を運ぶ」という機能だけを考えたら、こんな道具を発明しなくても、一輪運搬車にポリタンクを乗せれば済みます。

一輪運搬車
(↑参考写真:一輪運搬車)

しかし、アフリカ奥地の紛争地帯の村を想像してみてください。
山岳乾燥地を徒歩移動するゲリラ部隊。
兵士が村へ徴用にやってきたら、絶対に一輪運搬車を持って行ってしまうでしょう(村人たちの育てた家畜を載せて)。
なんてったって、一輪運搬車は基地の補修にも物資の運搬にも便利だし、様々な用途に使える(需要がある)から換金も可能。

でも、このドラムならわざわざ持って行かないでしょう。
行軍速度の足を引っ張るだけだし、大量の水が必要なら水辺に設営すればいいし。
(もちろん、「ガソリンなどの戦略物資も運べる」とか「バリケードに使える」とか使い道はゼロではないけど、それでも一輪運搬車の方を取るだろうな。)

というわけで、
「水を運ぶ人の負荷を軽減する」ためには
「水を運ぶのにしか使えない」道具の方が長い目で見て効果的!
と思います。


シンシア スミス / 世界を変えるデザイン - ものづくりには夢がある

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