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品川シーサイドにある楽天タワーで開催された「楽天研究開発シンポジウム 2009」に行ってきました。

楽天シンポジウムなう

- 【楽天】楽天研究開発シンポジウム2009
http://rit.rakuten.co.jp/conf/rrds2009/

参加費1500円。
ノベルティとして PILOT の三色ボールペン。
楽天ノベルティ

開会挨拶

12:00-12:10

■森 正弥(楽天技術研究所 所長)

曰く、アカデミックとビジネスを結びつける!

基調講演

12:10-12:40

■まつもとゆきひろ(Ruby開発者)

Matz曰く、クラウド!クラウド!
イニシャルコスト低い、管理コスト不要、スケールアップが簡単。
分散処理、大量処理が現実的なコストで実現可能。
個人の発想(≒妄想)を現実化しやすくなる。

Matz曰く、イノベーション!イノベーション!
イノベーションは制御不能。
技術的チャレンジが起こる場所でイノベーションが起こる!
大量データ、大量マシンとかそういう分野とか。
低コストなクラウドはイノベーションにつながる。
イノベーションの阻害は簡単で誰でもできる。
イノベーションを促進する環境よりも、阻害しない環境を作るべし。

Matz曰く、ルビー!ルビー!
発想を刺激するコミュニティがある!
Rubyは遅いけどクラウド時代のボトルネック(ネットワークとかデータベース)じゃないことが多いからそれほど問題にならないかと。もちろん改善中だよ。
とにかくすばやく開発して軌道にのせることが重要。Twitter みたいに最初はRailsでロケットスタート。成功したらお金かけてしっかりとしたシステムを組みなおせばいい。

セッション1 Knowledge Designing & Modeling

12:50-13:50

■間接係り受け関係の導入と相互情報量の再考察による単語意味的カテゴリ分類の精度向上
NGUYEN Pham Thanh Thao, 尾内理紀夫(電気通信大)

共起頻度の代わりに係り受け関係をスコア化して相互情報量計算で利用すると分類精度が良くなる。

質問してみた。
Q.単なる共起と比べれば良くなると思うけど、出現位置の距離を使った場合と比べるとどうなるのか。
距離が近いものを高スコアにするだけで精度が上がる可能性もあるのでは。
→A.試してはないが、やはり言語構造がこういうタスクには効くはず。

■CSSセレクタで表現されたコンテンツ抽出ルールの自動獲得
吉田光男, 乾孝司, 山本幹雄(筑波大)

CSSセレクタで抽出。
http://www.mibel.cs.tsukuba.ac.jp/~m.yoshida/ExtractUniqueBlock/
動的HTML生成の際に織り込まれるタイプ(モバイル版アドセンス)の広告は苦手かと。

■Experimental Approach to Design Double Auction Market
MASABUMI FURUHATA(University of Western Sydney, IRIT-Universite de Toulouse), DONGMO ZHANG(University of Western Sydney), LAURENT PERRUSSEL(IRIT-Universite de Toulouse)

ダブルオークションというモデルの分析など。

セッション2 Semantic Information Retrieval

14:00-15:20

■未来戦略立案のための情報検索
河合英紀(NEC, 京都大), Adam Jatowt, 田中克己(京都大), 國枝和雄, 山田敬嗣(NEC)

未来予想をウェブ検索APIを使って行う。
「太陽電池」→「太陽電池 2010年 2011年 ...」などのクエリ拡張。

#未来戦略立案というターゲット選択は秀逸。

■ユーザの嗜好を反映したクエリ拡張を用いた情報検索・推薦システムの開発
水野淳太(奈良先端科学技術大), 村田祐一, 勝屋久(情報処理推進機構)

ユーザのブログなどを分析してプロファイルを作ってクエリ拡張に用いる。

#「今後の課題」として上げられているが、ブログの中身やスタイルに依存する手法である。ランチブログを書いている人が中古車を検索するときには意味がない。ランチは格安志向だが車買うときは高級志向とか。

■緩和の意図を伝えられる検索システムにおける話題の独立性・網羅性を考慮したランキング手法の提案
金子恭史, 中村聡史, 田中克己(京都大)

「京都 豆腐とか」で検索する際に豆腐を「湯葉」「生湯葉」にクエリ拡張する手法において、目的別に検索結果のランキング方法を変えてみた。
検索範囲の拡張が目的:元の順位の高いページを優先。
理解・比較が目的(例「デジカメ FinePix?」→「FinePix」「LUMIX」「IXY」):拡張したキーワードがたくさんふくまれているページを上位に。

■挟みこむ検索:Webからの補間オブジェクト発見
旭直人, 山本岳洋, 中村聡史, 田中克己(京都大)

ある二つの単語の意味をつなぐ単語を、ウェブ検索を使って取り出す。
例:「家康」「家光」→「秀忠」。
検索結果スニペットの中で、順番にリストアップされてる部分があれば間の単語を取る。
- 挟んでポン http://www.dl.kuis.kyoto-u.ac.jp/~n.asahi/BetweenFinder/

コメントしてみた→HTMLの表やリストなどの構造を使う方法としてSEALがある。(ref. http://w-it.jp/shima/2007/08/google_sets_seal.html http://boowa.com/)

セッション3 Advanced Image Processing

15:30-16:10

■楕円形状を利用した花画像の正面画像への変形手法の提案
佐藤智大, 尾内理紀夫(電気通信大), 三條正裕, 森正弥(楽天株式会社)

デモすごい!

■位置情報付き写真における撮影位置の航空写真を利用した画像認識
八重樫恵太, 柳井啓司(電気通信大)

航空写真を付加的な画像特徴量として使う。

ポスターセッション

16:30-17:10

ポスターセッション コーヒーとお菓子
コーヒー(タリーズ)とお菓子も振舞われました。

■デジタルサイネージのためのバーチャルキャラクタの行動制御
森博志, 白鳥和人, 星野准一(筑波大)

■Web 上の広告情報を用いたアフィリエイトスパムの分析
石井聡一, 芳中隆幸(東京電機大), 福原知宏(東京大), 増田英孝(東京電機大), 中川裕志(東京大)

■柔軟なスケジュール情報流通のためのスケジュール流通プロトコルの提案
川島和澄, 笹田耕一(東京大)

■Web上の将来情報の発見と集約的提示
金澤健介, Adam Jatowt, 小山聡, 田中克己(京都大)

■スマートモブズへのビデオログ共有サービスの構想
井上重信, 小関博, 芝田弘之, 叢建強, 嶋田茂(首都大学東京)

■情報推薦における、消費者セグメントの大きさを基準とした最適パラメータの分析
梅田卓志(楽天株式会社), 小山友介(芝浦工業大), 出口弘(東京工業大)

■マイクロブログを対象とした制約付きクラスタリングシステムの試作
青島傳隼, 福田直樹, 横山昌平,石川博(静岡大)

■軽量なウェブブラウジング共有の高機能化
中村大介, 疋田輝雄(明治大)

■A Recommendation System Based on Unavailable Items Cached from Searching Engine
XINYOU ZHAO, XIN WAN, TOSHIO OKAMOTO(電気通信大)

パネルディスカッション

17:10-18:10

■インターネットに挑む若手研究者

パネラー:
- 岡野原 大輔 氏
- 首藤 一幸 氏
- 中村 聡史 氏

岡野原氏曰く:
- 知る努力が重要。
- アカデミックの人は外への宣伝が足りない。
- 小学5年生ごろから接尾辞配列について考えていた。
- 人生の重要ポイント:未踏プロジェクト、Googleインターン、会社設立。
- 理論も実践も。研究ができる人が開発も(Google)。
- せっかくの研究が現場に生かされていない、使いどころが悪い、というケースが多い。
- 今後:アカデミックとビジネスのつなぎ役になりたい。博士取得後はPFI。

中村氏曰く:
- 実況チャットのダイジェスト生成、検索結果再ランキング(Rerank)。
- 人が重要。インタラクションが重要。→「推薦」。
- 記録すること。記録し続けること。自分が見えてくる。
- 水平方向では各社健全に競う。縦方向、つまり新たなステージ・研究分野の構築は協力する。
- 今後:人を笑顔にできる研究。記憶にまつわる研究。押し付けがましくない推薦に関する研究。

首藤氏曰く:
- 分散システム大好き。直感的じゃない仕組みも好き。
- 研究職→スタートアップ→大学。
- シリコンバレーのベンチャーキャピタルは投資したスタートアップに優秀なPRの人とか紹介してくれる。
- 自分がもらっているお金に見合うだけの仕事をしているかどうかを考える。胸を張れるようになる。
- 今後:エンジニアパラダイスを作る。そのためのエコシステムを作る。

表彰式・閉会

18:10-18:40

パネルセッション投票の結果で表彰。
研究奨励賞。

懇親会

18:55-

「楽天タワー カフェテリア」にて。
懇親会 懇親会 サントリーだけ無い 夜景
ref. http://woman.type.jp/s/cafeteria/8/index.html