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梅田望夫 / ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか


時代の変化の徴候がさくっと分かる一冊「ウェブ進化論[2006-02-08-4]が出てから一年半。
まさに「ウェブ進化論 第二版」とも言える内容の本書が出ました。
ウェブ時代の生き方について、たくさんのヒントや事例などを提示して語っています。梅田望夫さんの著書やネット上のドキュメントを継続して読んできた私としては特に目新しいものはなかったのですが、頭の整理になりました。
事例としての梅田さん自身の話がいろいろあって参考になりました。
となると、ご自身の考え方、行動の変化の歴史を前面に出して、シリコンバレー本の内容を整理して混ぜ込んだ「梅田望夫半生記」が読みたいな、と思ったり、思わなかったり。

第六章の「大組織 vs. 小組織」を読むと、いろいろと思うことが。
何年かしたら書きますね。一箇所引用:
 「大組織のプロ」を目指すのか、「吸収できることをすべて吸収してやめる」か。
 いずれにせよどちらかの覚悟を固めて「三十歳から四十五歳」という難しくも大切な時期を、キャリアに自覚的に過ごすことが重要である。
(p.194)
そういえば本書はこの年代向けの本だと思いました。

「希少性をコントロールする概念からの脱却」(p.163)は、難しいだろうけど重要ですよねえ。情報を囲い込んだ人にしか出さない、雑誌や本だけにしか書かない、などで希少性をコントロールして情報の価値を高めようという流れに対して、ネットではどんどん公開して利子(フィードバックなど)を得るのが得策。

ノーベル賞受賞者である小柴昌俊の言葉がツボ(p.118)。
「大事なのは、「自分はこれをやりたい」というものを見つけること。
それが人生でいちばん大切なことです。もちろん、簡単ではない。
[...]
良くないのは、見つける努力をしないでフワフワ生きていること。
それが一番困る」(「フォーサイト」誌、2007年3月号)
ふわふわ〜♪

福沢諭吉曰く「一身にして二生を経るが如く、一人にして両身あるが如し」。
最初の半分が江戸時代で後半が明治時代。
今は時代の境目なので、われわれもそうなるのかも!と(p.11)。

スモールビジネスとベンチャーは違うよ、という話(p.75)。
「こうすれば成長できるかもしれない機会」という可能性は、スモールビジネス・オーナーにとってそれほど重要な要素ではないのである。
なるほど、納得。
「はてな」はベンチャーではなくスモールビジネスな会社なのですね。
分かってきた。

ref.
- 丸善での講演会の内容全部が公開されました
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20071116/p1