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加島祥造 / タオ-老子


老子の言葉(老子道徳経八十一章)を相田みつを風味な詩に、
というユニークな試み。
分かりやすすぎます!

例えば、第九章「運夷」のラスト
功成名遂、身退、天之道也
は、
何もかもぎりぎりまでやらないで
自分のやるべきことが終わったら
さっさとリタイアするのがいいんだ。
それが天の道に沿うことなんだ。
となっています。
口語チックな平易な表現になっているだけでなく、
各章の文脈にそって丁寧に(ときに過剰に?)言葉を補完しているので、
すんなりと流れます。
なるほどなるほどー! と思うことしきり。

その他いくつか:
名のあるものには欲がくっつく。
欲がくっつけば、ものの表面しか見えない。
無欲になって、はじめて
真のリアリティが見えてくるのだよ。
--- 第一章「体道」
私たちは物が役に立つと思うけれど
じつは物の内側の、
何もない虚のスペースこそ、
本当に役に立っているのだ。
--- 第十一章「無用」
人の頭に立つ人間は、
下の者たちを信じなくなると、
言葉や規則ばかり作って、それで
ゴリ押しするようになる。
--- 第十七章「淳風」
道徳は孝行息子を褒めるがね、
ダメ親父が道楽して家族を放りだすから
孝行息子が出るのさ。
--- 第十八章「俗薄」
足るを知る--これで十分と満足する人は
それで、つねに十分に足りているんだよ!
自己否定をしろとか、欲するなとか
言うんじゃないんだ--いいかい、
ただ、
どこで止まるかを知ること、それだけさ。
--- 第四十六章「倹欲」

相田みつを 2008年カレンダー