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働きアリの話ってよく聞きますよね。
優秀なアリだけ選抜しても、怠けアリだけ取り除いても、結局それらの割合は変わらない、などという話。

例えば以下にある話:
- 「80対20」革命! - [起業・独立開業]All About
  <http://allabout.co.jp/career/entrepreneur/closeup/CU20030315Abb/>
例えば、働きアリの集団でも本当に一生懸命に仕事をするのは2割で、残りの8割のアリたちは、仕事を怠けているどうです。[...]
試しに、働いている2割のアリと、怠けている8割のアリを分けてみます。するとまじめに働いていた集団の8割が怠け始めるそうです。反対に、怠け者のアリの集団では、2割が働き始めるそうです。
つまり集団をどう選んでも、やがて全員の2割が平均以上に働いて、残り8割は怠けてしまうという結果に落ち着くそうです。
- 大企業に残る優秀な人間も多い
  <http://orthopara.com/2005/08/04humanresource.html>
働きアリは10%しか働いていない。残りの90%はいるだけ無駄。しかし、その10%を抽出して精鋭チームを作ってもその中から90%はサボりだす。常に10%のアリしか働かないのだ。

ほとんどのアリが怠け者になってしまう! これは衝撃です。

しかし、こんな記事もありました:
- 働きアリについて <http://blog3.fc2.com/kibarasi/?no=11>
R25という雑誌に面白い記事がありました。要するに「働き者、普通の人、怠け者が、2:6:2 の割合」にあって、その割合が社会形成ではつりあっていると言う事。2の割合の怠け者を除くと、しばらくすると怠け者でなかった者が怠け者になってくる。

これによると怠け者は20%です。まあそれくらいならありえるかなー、と。

しかし、これら2系統の記事群ではあまりにも怠け者の割合が異なっています。いったいどういうことでしょう。

写真と本文は関係ありません

もうちょっと調べてみました。新聞記事[2004-02-28-1]にもなっていた北大の研究の話というのがあってこれが「怠けアリ20%」の元ネタですね。
例えば:
- 「働きアリ」、2割が働かず 北大・助手らが研究
  <http://www.rd.mmtr.or.jp/~bunryu/manhole3.htm>
 「働き者」とされながら、ほとんど働かない「働きアリ」がいることが、北海道大大学院農学研究科の長谷川英祐助手(進化生物学)らの研究で分かった。[...]
 長谷川さんらは、カドフシアリと呼ばれる小型のアリの3コロニーそれぞれ約30匹のアリにマジックで目印を付けて1匹1匹を識別し、その行動を毎日3時間、5か月にわたり調べた。[...]
 [...]仕事をほとんどしないアリが、どのコロニーにも約2割いた。
 働きの良い6匹を取り除くと、次に仕事熱心な層の労働量が若干増えたが、働かない層はやっぱり働かなかった。逆に仕事をしない6匹を除去すると、よく仕事をしていた数匹の労働量は若干、減った。[...]
(読売新聞)(2003/10/29)

この実験の結果は正しく広がってないみたいですね(この新聞記事も正しく伝えているかどうかは分かりませんが…)。
「もなQらいと」というサイトでこれについての解説がなされていました。
- 働かないアリのウソ
  <http://www.tokyo-nazo.net/~monami/log/20050416.html>
 「働きアリのうち2割のアリさんは遊んでいて、遊んでいるアリさんを取り除くと、残ったアリさんのうちの2割が遊びだす」なんて話を聞いたことがあると思いますー。
 あるいは、「働くアリさんを取り除くと、遊んでいるアリさんが働き出す」トカ。
 これ読んで「ふーん」と思ってた人、ダメですよー。
 だって、この話はウソですからー。

北大の研究結果は、働きアリ集団中の怠け者の割合(2割)が常に一定である、という話ではないようです。

また、怠け者が80〜90%だという、最初の方の説は、出典が分からないのですが、たぶんこの北大の話がさらにゆがんだものなのかもしれません。


写真と本文は関係ありません

追記050808: この記事はたぶん情報が入り次第ひたすら追記されると思いますのでよろしくです。「怠け者が80〜90%」ですが、北大の研究よりもずっと前からある説かも、とのコメントを頂きました。ありがとうございます。何か資料をご存知の方、ご教授ねがいます。

追記050810: 複数の方から「怠け者が80〜90%」はパレートの法則が元ではないかとのご指摘を頂きました。ありがとうございます。パレートの法則自体は様々な本に何度も登場するので存じておりますが(例えば、「新ネットワーク思考」[2004-12-05-5])、アリの話があったかどうかはちょっと思い出せません。「この本のここに出ていた!」というのがありましたらお願いします。
80:20の話はあるけどアリの話はない本:



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