古い記事
ランダムジャンプ
新しい記事
お茶の水女子大学教授 藤原正彦氏[2005-02-02-7]
「日本の心を取り戻す〜情緒力が生み出す日本人の感性〜」
に行って来ました(18:45〜)。定番の「論理 vs 情緒」の話でした。
いろいろと辛口でおもしろ。いくつかピックアップ。
単語レベルのメモから書き起こしたゆえ、
私の主観や誤解も混じっているかと思われるので十分注意して下さい。

産業革命以来、論理、論理、でつっぱしってきたこの世界。
論理、合理、理性だけでは破綻する。
例えば、帝国主義。「劣等民族を統治してあげるのだ。
文明を広めるのが我々の義務なのだ」。
これは非常に論理的で筋が通っている。
だから、当時のイギリスの知識人も反対せずに受け入れていた。
どうすれば良いか。情緒力。論理だけではなく情緒も重要。
論理的思考も重要だが、仮説・出発点を選ぶのは情緒・感性・美意識。
スタートが間違っていれば、筋だけ通った危険な思想になっちゃう。

ローカリズムが大切だという話も。
現代のアメリカが代表するように能率・効率でグローバリズムを
押し進めると、おかしなことになる。
情緒力(美的感受性)は社会に蓄積されない。
その人一代限り。育つ環境が重要かと私は思う。ローカリズムか。
そういう環境がグローバリズムで壊されていっているのが現状。
21世紀はローカリズムの時代、とも。

昔の日本人は英語話せず微笑み絶やさず。
ゆえに何か深いものを持っているのでは? と思われた。
しかし、現在は英語で中身のないことを話す人間が増えてきた。恥。

将棋の人との対談。将棋では二手以上気づくようじゃだめらしい。
最善の一手が即座に思い浮かばねば。
選択肢が多いとすぐ間違ったのを選んじゃいがち。

中国は怖くない。一国の強さは数学などの基礎科学に依る。
現在の中国ではこの分野に見るべきものはない
(アメリカの中国系の人たちはすごいが、「中国」ではない)。
中国ではできる人はエンジニア系(応用)へ行く。
これは短期的な成果につながる。
しかし、長期的なことを考えるとやはり基礎科学が重要。
そこの蓄積がある日本はまだ大丈夫。
(私の父も数学者だったんだけど同じようなことを言っていた。)

なぜ日本に産業革命が起こらなかったか。すごい数学者はいた。
関孝和やその弟子達。しかし、情緒力(美の追求)が悪い方向へ。
つまり、茶道や華道のようになってしまった。
一方ヨーロッパでは、数学と科学が結びついた。
それは宗教が影響している。「神が世界を数学であらわした」的な
宗教観でいろんな現象を数学で追求。

ref.
- 論理と情緒 http://www.1101.com/watch/2003-06-17.html
- 天才数学者の情緒 http://www.1101.com/watch/2003-07-01.html


著作:
この国のけじめ

世にも美しい日本語入門 (2006/1)
祖国とは国語

国家の品格

世にも美しい数学入門

古風堂々数学者

遥かなるケンブリッジ-一数学者のイギリス

心は孤独な数学者

若き数学者のアメリカ

数学者の言葉では

天才の栄光と挫折-数学者列伝

数学者の休憩時間

父の威厳 数学者の意地