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ゲーリー・ベルスキー、トーマス・ギロヴィッチ / 人はなぜお金で失敗するのか / 日本経済新聞社


行動経済学の入門書です。ちょっと前に単行本 (「賢いはずの...」というタイトルでした) を読んだのですが[2001-08-25-2]、文庫版が出たのを機会にまた読んでみました。やはり、良いですね。おすすめ本です。

行動経済学とは、心理学と経済学の二つの分野を結びつけ、人々が消費、投資、貯蓄するときに、なぜ一見不合理とも思える決定をするのか説明するものです。伝統的な経済学では、お金のことになると、人間はもともと合理的、効率的に行動すると仮定されていました。しかし、実際はそんなことはなく、不合理な行動が多いわけです。

この本では、そんな不合理な行動の原因を一つ一つ取り上げ、分かりやすく解説してあります。しっかり読んで原因を克服して、お金で失敗しないようにしましょう。

以下、この本で取り上げられているキーワードです。詳細は本書を読むべし。

★平均への回帰★
特異 (最悪!or最高!) な出来事のあとには平凡な出来事が続く。

★心の会計★
あるお金を他のお金よりも価値の低いものとみなし、無駄使いしてしまう傾向。
われわれは母親からもらった(あるいは道でひろった)五十ドルを使うとき、仕事でかせいだ五十ドルを使うときほど深くは考えない。
アフィリエイト収入は無駄使いしがち?
損失や費用を負担するとき、もっと大きな損失や費用のなかに埋もれさせることによって、そこから目をそむけようとする
思いあたるのでは? PC や車などの高価な買物のときのオプションとか。

★損失の嫌悪★
損失を避けようとするときには危険をいとわず、確実な利益を手にできる機会にはより慎重になる
「ウェーバーの法則」「つぎこんだ費用をめぐる誤り」なども。

★決定麻痺★
「決めない」と決める。多くの魅力的な選択子があると先延ばししたり何もしなくなりがち (葛藤下の選択)。「現状維持の傾向」「所有効果」。
二〇年もたてば、したことよりもしなかったことを嘆くようになる
--- マーク・トウェイン

★数学音痴の影響★
インフレの無視、確率の勘違い(基準率の無視)、小さな数字に無関心、等。

★錨をおろす→追認への傾向★
判断や意思決定に何の関係もない事実に固執。間違いを認めたがらない。

★自信過剰★
表が出れば私の勝ち、裏が出るのは運が悪い

★群衆による投資★
噂で動く。