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村上春樹 / 神の子どもたちはみな踊る / 新潮文庫

比較的最近の短編集。いろいろあるけど、一点だけ。

「アイロンのある風景」
焚き火の話。年頭にもちょっと書いたんだけど、今年のテーマの一つは
「焚き火」[2004-01-02-3]。タイムリー!
「火ゆうのはな、かたちが自由なんや。自由やから、見ているほうの心次
第で何にでも見える。順ちゃんが火を見ててひっそりとした気持ちになる
としたら、それは自分の中にあるひっそりとした気持ちがそこに映るから
なんや。そういうの、わかるか?」
「うん」
「でも、どんな火でもそういうことが起こるかというと、そんなことはな
い。そういうことが起こるためには、火のほうも自由やないとあかん。ガ
スストーブの火ではそんなことは起こらん。ライターの火でも起こらん。
普通の焚き火でもまずあかん。火が自由になるには、自由になる場所をう
まいことこっちでこしらえたらなあかんねん。そしてそれは誰にでも簡単
にできることやない」
深いねえ、焚き火。
そういえば、10 年くらい前に読んだ野田知佑のエッセイ (タイトル
忘れた) で「カヌーで川を下る旅で夜は川原で焚き火。ウィスキーと文庫
本。読んだページをちぎって火にくべる」みたいな話があって、カッコイ
イ!と感銘を受けたものです。でも、いまだに本をそういうふうに扱うの
は抵抗がありますね。捨てる本でもやぶったりできなかったり。
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